英語教育Cubed

英語教育を「国際競争力」「AIの進化に合わせた方法論」「日本のローカル事情」の3軸から見つめるブログ

Ready Steady Go!

準備期間だった半年間

5月に最後の記事をアップしてブログの方針転換を宣言してから、半年弱記事をアップできずにいましたが、実は新しいアプローチを可能にする手段を手に入れるための準備を進めていました。「国際競争力」「AI の進化に合わせた方法論」「日本のローカル事情」の3つが『英語教育 Cubed』の3つの軸ですが、「国際競争力」は軸でこそあれ自分一人でどうこうできるものではなく、「日本のローカル事情」は地道な読書と人間観察で考察を深めるしかないと考えました。一方、「AI の進化に合わせた方法論」は新たに勉強して仕入れることが可能な部分ですが、独学できるほどの根性はないことから、どうしたものかと思案していました。

 

社会人大学院

ヒントをくれたのは仲間たちでした。昔よく集まっていた8人グループのうち、一人はアメリカの大学の大学院MBA課程をフルタイムで働きながら日本校で修了、MBA取得。もう一人はフルタイム大学院生となり、なんと研究科首席で修了!別の環境での友人は、異業種転向のために専門学校で勉強して卒業、国家資格取得。一緒に仕事をしていた中国の請負先企業の担当者は、キャリアアップのために中国国内で大学院進学。「学び直す」社会人を多く見ているうちに、自然と自分もそうしようと思うようになりました。自分も昔大学院生時代にはそれなりに一生懸命勉強したつもりでしたが、社会経験がなかった分、問題意識が浅薄だったことを改めて痛感しました。

 

数学⁈手計算?

そのような経緯で、働きながら通える某大学の大学院AI 研究科を受験することを決意。しかし決意したはいいものの、学部から大学院とずっと純粋文系で、数量的なアプローチといえば統計学の初歩くらいしか知らなかったので、まずは大学院入試を突破することが最初の難関に。なんと入試では電卓も使用不可(つまり手計算)ということで、中学・高校数学の参考書や問題集と合わせて、小学生用の計算ドリルを買って勉強を始めたのが5月、ちょうど最後の記事をアップしたころでした。選考では、研究テーマについての小論文を事前に提出し、次に数学・統計学や論理問題を中心とする筆記試験。どうにか通過して、二次試験は研究テーマについてのプレゼンでした。9月末にどうにか合格通知を頂き、ブログにも無事帰ってきたというわけです。

 

学んだこと

指導教官となる予定の教授からは、「4月に入学するまでに、これとこれを勉強しておいてね〜」と山のような課題が積み上げられました(800ページ位ある洋書もあり、恐るべし)。でもそのメールを見て、自分が心底ほっとしているのに気づいたのです。というのも、合格発表後の一月は、やはり気が抜けてしまって少し生活が緩んでいました。しかしなぜか、「入試から解放されて楽だ」という気持ちとは無縁で、毎日進歩していないことから来る不安が大きかったのです。時間を惜しんで勉強して、その成果が見えて、金曜夜には「今週はここまで来た」と思える毎日の方がずっと楽しく、楽だったことに気づきました。「楽しい(たのしい)」と「楽(らく)」はやはり同じ漢字なのだ、と思いました。

 

一昔前では一般的ではなかった、「社会人が思い立って学生時代の専門とは別領域の大学院に進学する」ということ、それが可能になった現在と、それを可能にしてくれた大学および先生方に感謝しつつ、これからは着々とブログ記事もアップし、入学までの宿題に取り組んでいきたいと思います。もちろん、日々の仕事も無責任と言われない程度にこなしつつ。